142話 なんで日本の薬剤師ってこんな給料低いの?

結論から言うと、薬剤師をしてて思ったことは、薬剤師と言う仕事は日本では必要ないということだ。

 

そんな過激なことを言うと、薬剤師という明るい未来を目指す若者たちの希望をそいでしまうかもしれないが、現実だけ伝えよう。

 

まず、日本の薬剤師というものは、世界的に見れば地位が低い。

病院では、看護師の下の立場になるようなことも多いだろう。

 

薬剤師かっこいい!なんていうのは幻想である。それは私が薬剤師として、見てきた様々な世界にあった。

 

そもそも、日本では薬剤師には処方する権利がない。薬を勉強してきている人が薬を選ぶことはできないシステムということだ。

薬剤師の年収がぶっとんで高いアメリカでは、薬剤師に処方権があったり、スイスでは2/3の薬が処方せんなしで買えるというもので薬剤師の存在価値は高い。

 

では日本の薬剤師は何をしているのか、

薬剤師がやる仕事はほぼ雑務だ。

薬局の薬剤師を例に見てみると、

 

薬剤師にしかできないことは、処方箋の薬の組み合わせ病状から正しい薬が出ているのかをチェックすること。

患者さんと話をして、話した内容を記録に書いて考察すること。

。。それくらいだろう。

 

 

あとは、店を掃除したり、備品を発注したり、印鑑を沢山押したり、ごみを捨てたり

営業さんと話したり、処方箋に書かれた薬を出したり、、、

 

そもそも処方箋に書かれている薬を何錠そろえるなんて誰にでもできる。

粉薬にしても、簡単な計算で何グラム取って機械に入れるなんて誰にでもできる。

 

成分から何グラム、何リットル必要かの計算は、薬局事務の試験にも出てくるということは薬剤師でなくてもいい。

 

薬剤師の仕事のほとんどは雑務ばかりだ。

今は少しずつ制度が変わりつつあって、薬剤師でなくても薬を調剤(処方箋の薬を取りそろえること)をできるようになっているところもある。

 

にしても薬剤師の給料は高くない。

 

薬剤師の求人を見て、「薬剤師スゲー!!」と言えたのは一昔前の話だ。

 

薬学部は4年から6年になった。それでも給料は変わらない。上がったのは2年分の学費だ。

市立で安くても色々とトータルで1500万円ほどはかかる。

 

この2年間ははっきり言ってほとんど意味をなさない2年だ。タダで働かされて、国家試験のために勉強をするというものだ。

 

私は5年生になった、1回目の模試で国家試験合格ラインを軽く超えた。

これが意味することは、国家試験の勉強は4年間もあれば十分に達成できるということだ。

 

完全に利権だとしか思えない2年間。

ここでもっと厳しい現実は、6年間で卒業して国家試験に合格できる人は6割いるかいないかと言うことだ。

毎年何人も留年して、卒業前の試験でもごそっと留年していく、そして国家試験でまた落ちる人がいっぱいいる。7年、8年、トータルで勉強している人なんてざらにいる。

 

これをもって、時給2000円が高いのだろうか。と思えてしまう。

 

時給2000円の求人は、表面だけ見れば素晴らしい、質の悪い東京のキャバ嬢くらいの給料だが、その裏には6年分またはそれ以上の学費1500万円と考えて先払いしていれば元を取るまで長く働いても難しい。

 

自分の仕事の給料を表面ではなく、本質から少し見つめなおしてみた。