薬剤師と言う職業をしていて思うのは、正義とは何かを考えさせられることが多々ある。
考えて生きていくという道を選ぶから、ぶつかってしまう定めなのかもしれない。
よく実習などで話題に上がるのが、
患者が「急いでいるから説明はいらない」
と言った時にどう対応するか?ということだ。
マニュアル的には、患者の意見は無視してでも大事な説明をして薬剤師としての使命を全うしろと言うものだ。
私の意見ではそんなことは無理である。と言いたい。
東京で働いていたときにある患者と同僚のやりとりで
患者「バスが来るから説明要らないよ、早く薬頂戴」
同僚「お薬を正しく飲んでいただくために・・・」
患者「早くしろよ!バスに乗り遅れたらどうすんだよ!」
というのを見てから考えさせられた。
何が正義か分からなくなるだろう。
私は、急いでいる患者さんには
「薬の説明は読んでおいてくださいね、気をつけて帰って下さい^^」
とすぐに帰すと喜ばれるのに味を占めてから、このマイルール戦法を使っている。
教科書通りの生き方では世の中は上手くいかないというのが私の持論だ。
そもそも、もし自分が患者で急いでいて、バスや電車の時間があると言っているのに、だらだらと説明されたら、まじでやめてくれ。と言ってしまうと思う。
そもそも大人なんだからそこは自己責任だ。
説明が要らないと言った以上は無知で体に異常が生じても自分のせいだ。でもそれを説明しなかったお前の責任だ!と言ってくるバカがいる。
この根底を見ると責任を他人に押し付ける文化が残っていることがこの国の問題ではないか。
薬剤師がすべての患者に必要な情報を提供しないといけないというのは、わかるが、急いでいるならそれなりに自分で薬を調べるなり、説明を読むなりできることはある。
なんだかんだ誰かの責任にしたいというのは心のどこかにある。
その気持ちがある限りその人は成長が出来ないのかもしれない。
ビジネス的に見れば急いでいる患者のニーズは急いで帰りたいということだ。
そこでその意見を無視してでも説明し続けることは、こちらサイドのエゴであり、ニーズに応えられていない。
もうその患者さんはその場所へ薬を貰いに戻ることはないかもしれない。
マニュアルを優先するか、臨機応変に相手のニーズを優先するべきか。
あなたはどちらの正義を優先するだろうか。
本当に教科書に書かれることだけが正しいのだろうか。