久しく会っていなかった学生時代の友人に会った。
彼は学生の頃から本当に悪ガキで、自分と一緒に毎日暴力事件を起こしていた仲だ。
彼は権力で全てどうにかなると思っていた。
力があれば他人をどうにでもできると。だからたくさんひどいことをして、そして、その分が最終学年で全て返ってきた。
全員が彼のことを存在を無いものとした。学年みんながだ。
先生に助けを求めた彼に向かって担任の先生は、
「私は知りません」
とだけ行って去ったという。
全ての人に見捨てられ、彼は初めて人の痛みがわかったのだという。
そして久々に会って、彼は私に
「あの時俺をあんな目に合わせてくれて、本当にありがとう。自分がいじめられなければ、人の事を考えることなんてできなかった。
お前には勝てないと思ったよ。権力より、みんなを仲間にしたお前は強かった。」
と話した。
私は個人的に、自分がやられたこともあり、それを思うと助けることはしていなかったのだろう。
でも、彼を無視しろと言ったことはない、、でも俺じゃないとは言えなかった。言う必要もなかった。
おそらくみんなが彼を嫌いになってしまった。そしてリーダーが居るわけでもなく、みんなの心が悪い意味でまとまってしまったのかもしれない。
休み時間は誰もいない廊下にずっと居たらしい、休みの日は家にいると家族に不審がられるから、夕暮れまで近所のデパートに座っていたらしい。
聞いていて気分がいいものではない。
だが彼は、人は辛い思いをしないと人には優しくできないのかもしれないと伝えていた。