☆18話 見える世界は立ち位置で全く違う。

大学時代の話だが、自分は1年時の成績は151位/180、139位/180

と成績は悪い方だった。
 
絡んでる友達は順位が同じように3桁の人たちばかりだ。
 
自分には持ちギャグがあった。
「こいつら頭悪いからな」と、成績の悪い自分が自分より上の人たちを指して言うことで周りの頭の成績の悪い友達を笑わせていた。そして「おめーも頭悪いだろ」というツッコミをもらう流れがあった。
 
俺はある日、自分が成績が悪いことを自覚して、ふざけて仲のいい友達に、学年で6位になるという目標をいったことがある。6位になったらどんな気持ちになるんだろうと、不思議になった。
 
 
自分は、関わる同級生に順位を聞いては、自分の上の人たちが気持ち悪く見えてしまった。
 
「そんな勉強してんのかよ、きもちわりーな」と思うようになってた。まだまだ未熟だった。
そもそも薬学部と言うのはまじめでおとなしい人が多い。
 
同級生に順位を聞いて80位と聞いたときは、めっちゃすげーじゃん!と毎回驚いているくらい自分は、順位が低くヒエラルキーの下の位置で騒いでいた。
 
自分の中での無意識のうちに基準ができていた。
130位以下:友達。
100位~:ややきもめだけど友達
50位~:きもめ
11~30位:相当やばい真面目なガリ勉たち
ランカー(トップテン):究極完全体グレートモス
といった感じで成績が上位の人たちはかかわることもないだろうと思って下から見上げていた。
 
ただ、自分も留年は避けたかったので、勉強をするしかなかった。
そこで超勉強法という本を読んで、勉強の仕方を変えることにした。
 
今までは、テスト前に1週間くらいで頭に詰め込む勉強法だったが、
毎日授業の内容を1日30分~60分おさらいし、最初の10分は前日の勉強のおさらいをする方法に変えた。
 
勉強時間で見ると他の人の平均よりも全然少なかったが、効率を考えた。
 
更にその頃噛み砕いて考えていた。
テストはテストを受けるために受けるのではなく、未来にある国家試験のための積み上げていく知識の一部になるものと捉え、終わったテストの勉強もするようになった。
勉強時間は少なくていいので、ほぼ毎日飲み歩いていた。
 
大学2年の夏の試験成績は、、、64位/210(前年度留年された方が同学年になって人数が増えた。)だった。
そして、2年の終わりの試験では24位だった。
3年の夏の試験では12位にまでなっていた。そして次の試験で4位になった。
 
ここで我に返った。俺からすると勉強ばかりして気持ち悪く見えてた人たちよりも自分が上に来てしまっている。
今までの「こいつら頭悪いから」という持ちギャグさえ言えなくなってしまっていた。
同じ教室にいるのに、立場も見る世界も自分の中で全然違っていた。

 

今まですげー頭いいと言っていた80位の友達さえ、何も感じない普通のやつに見えてしまった。

 

ここで面白いのが学年のトップ10はみんなお互いがどの立ち位置にいるかを意識している。誰がライバルとかそんな感じだ。

その殺伐とした世界に留年候補だった飲み歩いている俺がいきなりトップ10に入ってきてみんなの脅威になっていたということも後で知った。

 

そして次の試験で学年で2位になった。

もはや自分より上の1人しか意識していなかった。

 

 

この時点で、6位になるという目標は忘れていた。
目標というものは忘れたころに達成しているものだ。
と学んだのはこの時だった。

 

自分はここで大きな決断をすることになった。

遊ぶ時間を削ってまで勉強量を増やして学年で1位を取るか。自分の時間を大切にするか・・・

 

決断によって人生は変わる。

初期のみんなを見上げていた自分が、みんなから見上げられる立ち位置になって、見える世界だけでなく、決断するないようにも大きな変化が起きていた。