17話 勉強するなら効率と時間の関係を考えよう。

私は大学時代に成績はトップクラスだった。

でも元々は留年候補生だった。

 

薬学部に入った私は、1年生の時に勉強の内容が良く分からなかった。

そして初めてのテストで徹夜を使って頑張ったりもして、180人中151位という成績を取った。

 

見るからにいい成績ではなかったが、担当の先生との面談で言われたことがある。

ここの成績の人たちは一番危なくて多分どっかで留年するよ。と。

 

成績が低すぎる人たちは先生からの指導や時には課題がある。

ある程度の基礎学力が備わっていれば、ケツを叩いて上げてもらえることもあるが、中途半端に悪い人は目につかず自然と自爆していくというような原理だ。

 

薬学部は、大学にもよるが、毎年10%ほど留年する人がいる。

そして、6年間残って生き残った者の中で卒業するための試験がある、その卒業試験に受かった者だけが国家試験を受けられるというシビアな世界だ。

そして国家試験に受かったものが国家資格を得ることが出来る。

 

極端にいえば、6年間をストレートに進み国家試験をストレートで通るのは割合で言えば全体の50%前後くらいになる。

 

180人中の151位の自分は明らかにどこかで躓いてもおかしくない。

 

そこから自分は頑張って徹夜を生かして勉強した。

寮生活をしていたので、一緒に勉強する仲間もいたがみんな特徴があって面白い。

 

その中にうめしゃん、という友達がいた。

うめしゃんは本当に勉強熱心でテスト前は1日8時間ほど、ほぼずっと座りっぱなしで勉強するという。

でもなぜか勉強量が少ない私より成績が悪かった。

 

あるテストの前日に、私が徹夜した時にうめしゃんも徹夜して勉強していた。

寮生活なのでトイレなどで会うこともある。

 

自分はずっと勉強ができないので、飽きたらすぐ寮にある広場でゲームをしていた。

そこにたまたまうめしゃんが通りかかって言ってきた。

 

「ゲームしてないで勉強しようぜ!明日は難しいし再試になるぞ」

私がゲームに彼を誘ったが、彼は無視して自分の部屋へそそくさと帰って行った。深夜4時の話だ

 

そこから私は勉強とゲームを交互にし、2人とも徹夜でテストに臨んだ。

 

 

私は受かったが、彼はその日の科目をすべて落とした。

私の成績は頑張った勉強のおかげか、180人中139位に上がった。

あがったと捉えるか、全然上がってないと捉えるかだが、その時の自分はうれしかった。

 

 

これは今考えると、効率の違いだろう。

勉強して、遊んで というのは脳のリフレッシュとして理に適っている。

 

彼はずっと勉強をいやいやし続けていた。

ずっと走っていたらいつか疲れて走れなくなる、脳も体もそうだ。

休まないとオーバーヒートして動かなくなることがある。

 

その時間勉強しているつもりになっても、ただ時間が過ぎ、嫌な感情だけが溜まっていきそこに生産性がない。

 

 

石垣島にいると勉強の仕方を知らないという人に時々会う。

勉強はやるなら何時間もぶっ続けで行うのがいいと思っている。

 

それではいつか走れなくなるのと同じだ。休む時間が必ず必要になる。

 

形だけ勉強しているのを見せるなら別だが、休むことこそ、次に進み目的地に着く最短コースである。