22話 適当に生きても自分を持っていれば結果は付いてくる

オーストラリアから日本に帰国して、新入社員時代の仲がいい5,6人で飲みに行った時の話だ。

 

帰りでその中の一人の女の子ごまぼーと帰る方向が同じだったので色々話し込み、一つ気になったことを聞いた。

「なんで最初に入った会社で辞めないで働いているの?」と

 

私は1年半ほどで辞めてしまったので、みんなが残る理由が気になった。

その質問に、その子はこう答えた。

 

「同期が支えてくれるから、みんながいるから頑張れるから、辞めたいと思うことはあるけど辞めないで続けている。」

 

そこに加えて「その基盤を作ったのはあなたですよ。本当に感謝しています。」

 

そう言われた時に涙が出そうだった。

 

 

新入社員時代に、同期130人ほどで飲み会があった。

 

その時の研修の舞台で謎に一発芸をやらされた自分は同期のヒーローだっただろう。そうして動悸で疲労だったのを覚えている。

 

その時の飲み会で一緒に飲んでいたのが、今も仲良くしている新入社員時代の仲間だ。

 

その時にいた、ごまぼーという女の子を酔っぱらっていじり倒していた。

すごく大人しい子だったが仲良くなれば面白い。

 

どんな人でも楽しめる飲み会がモットーの自分として、口数が少ない人もいじってみんなで話を共有して楽しめることが大事だった。

 

 

ある意味適当に生きていたのだろう。

 

その飲み会のいじりを見ていた他の人も飲み会でごまぼーを誘うようになっていた。

気づいたら一人の大人しい女の子は、会社のどんな飲み会にも誘われる存在になっていた。

 

 

噛み砕いて考えてみると

見方によってはいじめに見えるかもしれないが、ごまぼーの捉え方は違っていた。

 

「自分のキャラと立ち位置をくれた」という前向きな捉え方をしていた。

人は立ち位置がないと存在することに息苦しく感じることがある。

 

どこに存在していいかわかるようなポジションを明確に与えてあげることが、人に尽くすということなのかもしれない。

 

私は、私の好きなように生きていた、それがもちろんマイナスになることもあるが、プラスに転じた時の喜びは本当に大きい。その理由は何も演じていない自分だけの成果に対しての利益が自分だけのリターンになるからだろう。

その子は今でも同期のムードメーカーとして生きている。

 

その事実と共に私の活躍は共に生き続けている。