46話 誰もやらねえだろこんなこと。っていう努力は何があるか?

自分が英語もできずにオーストラリアへ逃げた後の話だ。

 

日本にいる時にエージェントを通し語学学校に4か月行き、最初の一ヶ月は寮に住むという契約をした。(65万円ほどかかった。)

そこで「学校一の人気者になり日本人のギャグでも世界に通用することを証明する。という目標を立てた。

 

オーストラリアに着いてから最初は寮に入った。

寮はA棟、B棟・・・といくつもの一戸建ての家の様なものが一つの敷地にあり、その中にベッド、トイレ、シャワーがついている4室の小部屋がある。キッチンやリビングは家の中のみんなで共有するものだった。

 

私は個室ではなく二人部屋だったので、誰がいるだろう、と思い。自分の家に入った。

 

そこには女の子が二人掃除をしていた。一人は日本人の子だった。

「私たちは今日で出ていくの、あなたの部屋は一番奥のところよ。男の子が寝てるわ。この部屋は前に住んでいた人がだいぶ荒らしていったみたいですごく汚いの。運が悪かったね。」

 

と言い残し出て行った。

 

私の部屋に着くと台湾人のおっさのような奴が寝ていた。少し話してみたが全然馬が合いそうになかった。。

部屋は4つあるのに、1つの部屋に台湾人と二人で住む生活で、勉強どころか気も休まらなかった。他の3部屋はだれも住んでいないのに鍵が閉まっている。

 

後日、語学学校に行き始めも、英語が話せないので友達がまったくできなかった。

私は、学校で人気者になる。という目標の為、英語を勉強した。

 

自分には何ができるかを考えた。

 

そして、バス通学だったのでバスの中で隣に座る人に話しかけることにした。

 

英語の教材を開いて、「あなたはオーストラリア人ですか?英語のこの部分が分からないので教えて欲しい」

と慣れない英語で聞き、慣れない英語で返され、適当に愛想笑いして会話をしたつもりになってバスを降りる。

 

帰ってから、話す人が部屋の台湾人しかいないので、その辺の人にあいさつしたり、

近所の家にピンポンを押して、何か口実をつけて会話をしに行ったりもした。

「ゴミ捨て場はどこですか?」とか適当に聞いたり、とりあえずFacebookを教えてもらったり。

 

何より、英語をうまくなるために必死に生きていた。

 

今の自分にはもうできない気がするがその時は、誰もやらないだろってことをやって頑張っていた。

 

その甲斐あってか、最終的に英語のクラスは、一番上にまで上った。

今はもう英語を使う機会がほとんどなく、体から英語力は抜けてしまった感じがするが、その時に頑張ったという記録は一生残っている。

 

自分が、誰もやらないであろう努力をした経験だけは自信になる、忘れてはいけない。