51話 うんこをあげたのにお返しをしないと「非常識だ!」という日本人

以前、親戚からゼリーが送られてきたことがある。

 

嫌いではないが自分が欲しいものではない。あれば食べるけど、好んで食べるものではないので知り合いにあげた。一応送り主にお礼の電話はいれておいた。

 

ゼリーが贈られたことを知っていた親父から、

「お礼は何を送るんだ?」 と聞かれた。

 

「なんで欲しくないものを勝手に送られて来て、お礼を送る必要があるんだ?」 いつもこの日本の文化の捉え方の違いで親父とは言い合いになる。

 

ここを噛み砕いて考えてみると面白い。

私は「誰かがうんこを家に送ってきたとして、ありがとう。と言ってお礼を送らないといけないのか?必要があるかないかはもらう側が決める問題であって、もらったものに対して必ずお礼を送らないと非常識という考えが承認欲求の塊でしかない。」

その時点で、親父は「お前は何かがおかしい。」と言って議論が終わるのが定番だ。

 

うんこを例にすると極端に感じられるが、うんこを肥料として必要としている人や、検便したいけどうんこが出ず手に入らない人にとってはうんこにも需要が出てくる。

 

必ず人に喜ばれるものも、必ずだれにも喜ばれないものも存在しない。

ほとんどの人にはいらないものでも、マニアックな人には需要があるものもある。

 

人が必要としているものを分かった上で送って、感謝の気持ちとして、もらった側がお礼をしたいと思って品を上げるのは理に適っている。

 

それが、必要か必要じゃないかもわからず、送りたいものを勝手に送って、お返しがないと非常識だとか。それを見ていた人が、お礼をしないのはおかしいというのは、思考を停止して多数派の日本の文化に流されてお互いに損をしているだけだ。

 

お土産屋さんの高めの品を買って、高ければいいだろうという。

高くて必要性が低い物ならそれより安くても必要とするものを聞くか、いくつかの選択肢を出して選ばせてくれるような品を送ってくれた方が喜んでお礼をしよう!と言う気持ちになる。

 

ただ、なんでもいいからもらったら返さないといけない。と言って、もらったものより良いものを送るという強迫観念で多くの人が動いているのには疑問に感じる。

 

これは団塊の世代の人の働いていた時代の強く根付いている文化もあり、その人たちにはなかなか受け入れてもらえない。

 

もし、親戚からうんこを送られてきたときに何を、お礼の品として送るかを是非あなたにも考えてほしい。

 

私がもしうんこを誰かから送られてきたら、かりんとうに水を多くしみこませて作った、かりんとうんちを送るだろう。