60話 みんな初めは、仕事ができないアマチュア

最近、「あなたは仕事ができるからいいよね。」とか、「なんでもすぐ覚えて応用力があるよね」と言われることがあるが、自分でわかる、まったくそんなことはない。

 

新入社員として会社に入った時は上司にどれだけ、ぼろくそ言われたかというくらい自分は要領が悪かった。

そもそも何が大事な事か優先順位も上手くつけられない。

料理ができる人は仕事ができると言われるが、料理もまったくせず段取りがあり得ないほど悪く、「時間がない」と口癖のように言い仕事を翌日に回している日々を送っていた。

 

勉強についてもそうだが、大学時代も成績はすこぶる悪かったが、良くなったのは要点を見直したからだろう。

 

結局、段取り・仕事力についてはあまり意識せず改善がないまま退職し、オーストラリアへ旅立った。

 

農家に行き、歩合制の仕事を通して、自分が全然稼げていない時に思った。

時間をうまく使えないと稼げない。

 

イチゴをひたすら取る仕事をしてても、自分の隣に取るのが速い奴がいれば自分よりも速く進み、自分のところにあるいいイチゴにまで手を伸ばされてしまう。

 

放し飼いにされたフィールドでトレイいっぱいにイチゴを摘めて200円ちょいもらえる仕事で、頑張ればお金がたくさんもらえるし、頑張らなければ給料は伸びない。

 私はそこで一番稼いでいる男の子に、何が大事かを聞いてみた。

 

彼は言った。「技術ももちろん大事だ、ただ手だけ動かしている奴と、手と足を同時に動かしている奴はそれだけで差がある。無駄な動きをしないことだよ。」

 

いまいよくわからなかったが、段取りが上手い人が時間をたくさん使える。それが稼ぐ力についてもつながっているということを身をもって知った。

 

その後、キャベツの農家に入ってスパルタの最強のチームで仕事をして、動くトラクターにひたすらキャベツを取って乗せていく時に体で学んだ。

 

止まらず動くトラクターに合わせてキャベツを取りながら進んでいく。

少しでも遅ければクビになりかねないし、遅れたらトラクターを遅くするか、止めないといけない大きな時間ロスになる。

 

1秒1秒に意識して生きていた。

今この動作の後に何をするか、その動作は自分がつきっきりでなくても時間が解決してくれる仕事なのか、頭と体をフル回転させながら仕事をすることが大事だ。

それが体に染みついてからか、「気づいたら仕事ができる奴だ。」という烙印を押されるようになった。

 

日常で分かりやすく言うと、

洗濯と料理をする場合、洗濯機のスイッチを入れ、その間に自分で料理をすれば、ほぼ同じ時間ですべての作業が終わるだろう。

 

それをいきなり料理を作ってから、その後に洗濯機を回さないと、となれば終わる時間も遅くなる。

段取りとは最短で仕事が終わるための優先順位を決める作業だろう。

 

この段取りが上手くできない人は「時間がない」といい、残業をだらだらとしていることが多いように見える。

 

意識して生きるか、次に何が必要かを考えて行動が出来れば周りからの評価は大きく変わってくるだろう。