101話 おじさんに好かれるには聞いて聞いて聞きまくれ

私は高校生の頃から親父に飲み会に連れていかれることが多かった。

そのためか、人見知りする様なことはまったく無く、いろんな人と自然な会話はできた。

 

大学1年生の時に、親父の実家に行ったときに

「昔の友達と飲むからお前も来い。」と連れていかれて飲み会に行った。

 

知らないおじさんが6,7人いる中で、まだ未熟な自分がいて、何を話そうかな。と考えていた。

 

親父が、一人のおっちゃん(60代くらい)に、

「うちの息子連れてきたから色々人生について教えてあげてくれ」

というと、そのおっちゃんは、

「なんだいガキの子守かい、俺は」 と少し不満そうな感じだった。

 

この空気で話すのは、だるいな、と思っていたが、とりあえずそのおっちゃんの話を聞いていた。

 

おっちゃんの話は、昔はこうだった。とかお前の大学の近くに住んでいたことがあるとか。昔は色々問題を起こしたとか、そんな感じだった。

 

私は、ただ黙々と聞いていた。たまに面白そうな部分は突っ込んで質問をした。

おっちゃんは、ひたすら自分の思い出を語り続けた。

 

結局飲み会中、そのおっちゃんはほとんど俺とだけ話していた。

 

飲み会が終わって、おっちゃんは不思議なことを言った。

 

「こんな楽しい飲み会何年振りだろう。今日は特に酒が美味かった。」 と

 

私は特に何も話してないし、その時は不思議だった。

 

親父はおっちゃんの、そのセリフを聞いていて、私に

「お前は別に話さなくてただ聞いていて良かった。人は聞いているより、自分の話を聞いてほしいから、話したい人がいるならただ聞いていればいい」

と言った。

 

確かに、みんな自分の話を聞いてほしい、そして、他人の話はあまり聞いていない。

社会人になってからそれはつくづく思った。

 

接客をしている時は特にだ。店員と話していて、店員の過去の体験なんて聞く耳も持たない人が多い。

 

それがよっぽど自分の欲しい情報じゃなければ聞いたふりをしている人がとても多い。

 

そこからわかることは、人の話をじっくり聞ける人は嫌われにくいということだ。

相手に何か頼みたいなら相手の話を聞けばいい

 

大きな成長をした日を久々に思い出した。