124話 ロジハラというバカの極み

最近巷で、「ロジハラ」というものが話題になっている。

ロジカルハラスメントといって、正論を振りかざして相手を追い詰めるというものだ。

 

相手の気持ちを考えないで相手を追い詰めて初めて成り立つようだが、こんなものが周知されればロジカルシンキングの否定にもつながりかねない。

 

論理的(ロジカル)とは、もっとも効率のいい結果を得られるための思考手段であり、これが制限されてくると、この国はますます貧しくなるだろう。

 

何故なら、今でさえ効率がすこぶる悪い経済の回し方なのに、もっと悪化の一途をたどる可能性がある。

 

ロジハラをする人は、おそらく自分の頭で考え行動する、仕事ができる人ということに違いはない。おそらく言い方の問題もあるだろう。

 

私の学生時代に経験した分かりやすい例を挙げると、

テスト勉強をしている友人が、教科書を丸写しのようにきれいにノートに書いていた。

 

目的はテストに合格するために、《多くの知識と、問題解決能力をつけること》のはずなのに、《ノートをきれいに埋めていくこと》が目的となり、多くの時間をノート作成にとられている。

 

これを、私が

「ノートをきれいにとっても、既に覚えていることまでノートに書き写しても時間がもったいないから、知らないことだけをピックアップしてノートに書けば、調べやすいし、書く量も少なくなるし、テストで正解できる問題は増えると思うよ」

 

というとロジハラになりかねないという話だ。

 

効率をよくすることがハラスメントになるなんて馬鹿な話があるだろうか。と思ってしまう。

 

ロジカルをすごく威圧的にいう人であれば、言われている人の修正・向上欲が足りないか、言われてもできない特別な問題を抱えているか、ロジカルをかざして頭を良く見せたい人なのかなど、別の部分に問題がある。

 

少なくとも、ロジカルに考えられない人が多すぎるから問題になっている。

ロジカルに考えて困ることよりも得することが多いのに、アジアで最も学ばない人が多い日本人から出る問題は、まだまだ氷山の一角なのかもしれない。