私が知らないことは、いけないことだ。と教える親 思考訓練3

 

 

"子供にこれはやらせたくない。危ないから"

というような言葉を聞くことがある。果たしてそれは誰の経験から言っていることなのか。

 

 

私「最近、近所のおばちゃんから”息子が仮想通貨をやろうとしているけど、どうやってやめさせればいい?”って相談を受けたんですが、なんで子供の好奇心を削ごうと必死になる親が多いんですかね。」

 

大賢者

 『形は違えど、よくある話だね。まず親としては子供を危険に遭わせたくないという気持ちがあるんだろうけど、その根底には自分の手中に収めていたいという気持ちも働いていそうだね。

子供と言っても成人を過ぎている人なら、何をしようが自由なはずだけど、子供をコントロールしたいって親は意外と多いよね。』

 

私「子供が興味があって、やろうとしてることならやらせてあげたほうがいいと私は思います。いろんな経験にもなりますし。

自傷行為とか、あからさまな詐欺にはまっているとかいうのでなければ。」

 

大賢者

 『そうだね。実際に人生経験の多さは、その後の人生で人としての魅力にも大きくつながっていくっていうのはあるからね。

ただなんで親は子供の行動を制限して、これはやらせたくないとかって言うと思う?』

 

私「その仮想通貨の話をしていたおばさんの話だと、おばさんは仮想通貨自体を全然知らなくて、周りにも知っている人がいないみたいです。

でもやらせたくないって言ってて、なんの情報に支配されているんだろうって感じましたが。」

 

大賢者

 『いいところに目をつけたね。それは知らないからなんだ。

人間は知らないことは怖いんだ。自分が知らないことを身内にやられて安全圏から抜けてほしくないって感じるんだ。

自分が実際に経験したことがなくて、他人からちょっと聞いたことだとしても、それが本当に安全かどうかとかどんなものかなんて調べたりせずにね。

 

でもそうしていると、その子の行動範囲は親の知識内のことでしか動けないよね。

ただ、本当にいろいろな経験をされた上でダメだという親もいる。

子供と親の体験は全然違う人物が感じているものだから、いきなり制限をかけるのだけは少し考え物だとも思うけどね』

 

私「そうですね、親の言うことだけをしっかり聞いて、はいわかった。なんて言っている人は自分から新しい挑戦をすることが難しくなっていきそうです。それともう一つ気になった話があります。」

 

私「石垣島にいると、他の都道府県から来た女の人と島にいる男の人が結婚しているという人によく会うんですが、その逆のパターンの女の人が島出身っていうペアがすごく少ないように感じるんです。

実際に島で聞いてみると、子供がどこか違うところに行ってしまわないように、女の子は島の人としか結婚させないっていう親の話を聞きました。もっと広い世界を見せようって親としてならないんですかね。」

 

大賢者

 『そういう親子の形もあるんだよ。どれが正解だなんてないんだ。

確かにいろんな世界を見て子供を大きく羽ばたかせたいって親もいれば、危険を恐れて狭い世界から出したくない。近くに子供を置いておきたいって人もいる。ただ外の世界に生かせないのもまたある種の危険も潜んでいるんだけどね。近くに住む人が必ずみんないい人ってわけじゃあないさ。』

 

私「子供って親の私物なんですかね。子離れできてないというか、親離れできてないというか。

東京の人は悪い人だなんて意見をたまに聞くことがあるけど、沖縄の人が必ずしもいいとは限らないと思うんです。沖縄でも犯罪はたくさん起きてるのに。」

 

大賢者

 『否定することは必ずしも正しいとは限らない。その人たちにとってそれぞれの正義があるからね。

ただ必ずしも親は正しいとは限らないっていう考えを持っていないといけない。自分にたくさんのことを教えてくれた先生であるからこそ親は正しいって思いたくなる。

でもね、残酷な話になるけど、もし親の意見が正しいとしたらこの国はもっと素敵な国になっていてもおかしくないよね。

話の内容が理解できたら思考訓練4に行ってみようか。』