通っている医者に怯える患者がなんと多いこと
薬剤師をしていると、患者さんから「先生には言わないでほしい!」と言うような言葉をよく聞く。
これは具体的にどんな時かと言うと、患者が薬をしっかり飲んでない時や、薬が効かないことを医者に伝えられなくて薬局でぽろっとこぼしてくる時だ。
何種類か薬を貰って飲んでいるが、1種類でも毎回飲み忘れてしまう薬が残っている時に、これ以上貰うと1種類だけ異様に多くなる。
でも先生に言うと怒られるから言わないで、と言われる。
その時の患者の問題点は何か
ここでの問題は患者が薬をしっかり飲んでいないことなので、
なんで飲めないのか?
飲んだほうがいい理由を説明して、極力は医者には話さないで渡すようにしている。
ここは薬剤師目線で見ると、難しいところだ。
患者を裏切るかどうか
患者を裏切って医師に密告した、と捉えられれば信頼はガタ落ちする。
医者に話さなければ、患者の飲み忘れた薬が溜まるが、患者は安心して医者に通い続けられる。
以前、医者に「この人は薬をしっかり飲んでないから、薬の必要性について伝えて薬を調節してほしい」と言うような話になったら、
その患者が「薬局が薬をしっかりくれてなかった」と謎のことを言われたこともある。
患者が医者に怯えるばっかりに、薬を無駄に残して廃棄になっていたり、
適切な薬を服用せずに、症状が改善しないまま無意味な薬を飲み続けているなんてこともある。
医療費の無駄は患者の責任?
医療費の無駄は実際は患者だけの問題ではないようにも思える。
そもそもなんで患者が医者に怯えているのか?
これはとても不思議なことだ。
医者はお金を貰う立場で患者がお金を払う側だ。
なぜ、医者に怯えてお金を払っているのか。
これは、私が思うにこの問題の根本は患者の視野の狭さにあるのではないかと思う。
そして、メディアが作り上げた医者は偉いという思い込みだ。(医者の中にも良い先生は存在している。)
医者の友達でも偉そうなやつや、実際に私が受診した医者でも偉そうなやつはたくさんいた。こいつらはいったい何をもってこんなえらそうにしているんだろう。と不思議に思ってしまう。
医者にかからない人からすれば、ただ働いている一人の人間でしかない。
確かに、勉強を人一倍して資格を取っているが、人の意見を跳ね除けることに必死になるほど正しいなにを持っているのだろうかと思うこともある。
怯える者の人生の選択肢の数
医者に怯える患者は、おそらく人生の選択肢を少ししか持っていない。
もし医者に怯えるなら、怯えなくなる親切な医者に通えばいい。
薬を無理して飲ませずに生活を一緒に考えてくれる薬剤師や医者を探してもいい。
薬を飲む前にできることは何か考えてもいい。
そもそも必要な薬なのかも見直してみていい。
この怯える患者たちは私が見ている限り、必要のない薬を飲まされ続けている。
本当に必要な薬なら、飲み忘れることはほぼなくなる。
薬が効かなくて生活に支障が出てしまうなら、それは看護師にでも伝えられるはずだ。
人生の選択肢がない。
籠の中に入り込んで、出口を見失ってしまっている。
私は彼らを反面教師で見てしまう。
選択肢を常にいくつも持てる人間になろう。人間として生きていくために。