怒って来たおばあさんの患者さんの話
こんにちは、歳をとりたくないと毎日心底感じているよすきーです。
今日は、患者さんがボケ始めてるのかな?という瞬間を初めて見た。
いつも優しく大人しいおばあさんが、珍しくプンプン怒って来た。
「いつ2種類薬もらってるけど、前回1種類しか出てなくて昨日薬なくて困ってたのよ、病院が出し忘れたの?久々に私は頭に来てるの。」
と言って来たのだが、薬を渡したのは2週間も前のことだ。
実は、前回来た時に
「1種類は2週間くらい残っているから、今回は1種類だけもらって、また合間を見て受診してもう1種類貰うわ。」と言っていた。
完全にこのやり取りを忘れてしまい、病院が薬を出さずに、薬局も薬について何も説明しなかったのはおかしい、と言っている。
それになぜか、怒っている。
以前こういうやりとりをしましたよ。と伝えても、
「そんな記憶はない、なんで病院は薬を出さなかったんだ。」との一点張りだ。
前はこんな人じゃなかった。
穏やかで、視野の広い人だった。
この人の変化で何が問題なのか?
記憶が抜けていることもそうだが、自分は悪くない、あんたたちが悪い と決めつけてしまっていることだ。
これが、ボケの始まりの様な気がした。
認知症の初期に怒りっぽくなる易怒性という症状があるが、まさにこんな感じだ。
怒りっぽくなったり、自分がもしかしたら間違っているのかも、という視点が無くなったらボケ始めている可能性がある。
もともと視野が狭くてそういう考え方ができない人もいるが、もともとまともな思考だった人が変わった時は怖い。
結局このおばあさんにはもう一度、病院に行って処方せんを貰ってきてもらった。
その時病院でも同じことを言われ、今まで薬が2週間分残っていたから薬の日数が合わないということも知ったようだ。
なんだか、直接言われると自尊心を傷つけられそうだが、それすらもすぐに忘れてしまうのかもしれない。
物忘れがひどくなると、自分だけでなく周りの人にも大変な負担をかけることになる。
年齢的なものもあるのでどうしようもないが、こういう高齢の人だらけになった時の問題は避けられない。
みんながみんな、「自分は被害者だ」なんて思うような社会は成長しない。
責任を放棄していることになる。
こういう患者さんの現状を見ていると自分が歳をとる事が怖くなってくる。
自分もこうなるのかな、と。
調べてみると運動をした方がいい。
当たり前だが、運動は死亡率だけでなく、ボケ防止にも多大な効果を示す。
30分外を歩くだけ、15分歩くだけでもだいぶ違う。
健康寿命を延ばすために何ができるかを若いうちから知り、行動してそれを周知していこう