薬局にお薬手帳を持っていくと払うお金は安くなる?

 

お薬手帳を薬局に持っていくと、安くなる時がある!

こんにちは、薬剤師でもお薬手帳を持つのが面倒くさいよすきーです。

 

 昔からよく言われている、薬局にお薬手帳を持っていくと安くなる?っていう話

 

結論から言うと

3か月以内に、同じ薬局に行って手帳を持って行った時だけ安くなります。

 

そもそもお薬手帳って何のために必要なのか?

①患者さんが飲んでいる薬を管理する

これが一番の目的です。もしかしたら同じような薬を違う病院から出してしまうこともある。それどころか違うメーカーのジェネリックの同じ薬を飲んでた、なんてこともあります。

以前、似た薬を知らずに飲んでて、気づいたら胃腸から血が出ていたなんてことがあり、お薬手帳の重要性が議題として挙げられることになりました。

 

②アレルギー歴や副作用を管理できる。

お薬手帳の1ページ目には副作用歴や、アレルギーについて書く項目が設けられています。薬局によっては初めて来た患者さんの副作用が出る薬がわからなかったりするので、薬局同士や、薬局と病院の情報共有などでもお薬手帳が使われたりします。

 

③災害時の健康を維持するため

災害に遭い、普段服用している薬を無くしてしまった時に、なんの薬を飲んでいたか覚えていないという人がほとんどです。同じ血圧の薬だとしても作用が違ったり、飲み合わせが悪いものがあったりするので、そういう時に何を飲んでいたかがわかれば、救急医療の方も優先してお薬を渡すことができます。

 

お薬手帳は住所や電話番号も書くことができ、落とさなければいろいろと困ったときに役に立つことがあります。

 

でも若い人は頻繁には使わないし、持ち歩くのも面倒くさい。って思いますよね。

では、薬局に持っていくとどれだけ安くなるのか??

令和2年から薬に関しての法律が改定されこんな感じで変更になりました。

 

分かりやすく説明します。

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↑画像の下の資格の中の

 

3か月以内の再度の来局 手帳ありなし43点57点か変わっています。

 そして、3か月以内の再来局でない場合(初めてかかる薬局、2回以上来てるが前回来た時から3か月以上の日にちが経っている)は、手帳の有無にかかわらず57点になっています。

 

安くなるというのは、この43点か、57点かの差の14点分が安くなるということ。

 

そもそもこの点数とは何か。

 

病院も薬局も、薬の値段や手間賃などを計算しやすいように、一つ一つの項目を点数化しています。

点数は1点10円で計算され、点数を合算して最後に10でかけて患者さんに請求するというもの。

 

なので、病院や薬局の支払いでは10円単位になってないでしょうか?

 

 手帳持っていくか、持っていかないかで変わるこの14点は140円の差になるということです。

 

 しかし、実際には140円安くなるわけではありません。

この点数は、10割負担で計算した場合の数値です。

 

ほとんどの人が保険料を支払っており、医療機関(病院・薬局など)では3割負担として請求額の3割しか払っていません。

 

すなわちお得になるのは140円の30%である、52円。

手帳を持っていくとざっくり計算して52円安くなるということです。

3割負担 52円 ←(140×0.3)

2割負担 28円 ←(140×0.2)

1割負担 14円 ←(140×0.1)

 

負担割合に応じて安くなる金額は変わります。

もし、生活保護の方など支払いがない人が手帳を持ってこない場合、負担は国民の医療費に来ます。

薬局は手帳を出されない分プラスの儲けに見えるかもしれませんが、働いているサラリーマン薬剤師の懐からでる医療費で賄っているので結局は誰も得をしていないという構造になります。

 

 若いうちは、定期的に飲んでる薬がなかったり、いつも同じ薬だから覚えているしと思っていても何が起こるかわかりません。

突然脳溢血で倒れたり、事故で意識を失うこともあります。

そんな時に、使っている薬からその人の持つ疾患を把握できたりするので、決して無駄ではありません。  

 

お薬手帳があなたの命もお財布も、助けるときが来るかもしれません。