薬剤師国家試験で壊れる友情
薬剤師の国家試験の結果発表日
私は6年生の薬学部を卒業した。
薬剤師の国家試験は2月の終わりに行われ、結果発表は3月の終わりだった。
これだけ聞くとなんともないが、細かく見るとこれはかなり狂っている。
3月の終わりと言う時点で、卒業もしてしまっていて、就活も終わっている状態だ。
ほとんどの人に当てはまるが、卒業旅行なども発表前に組んでいるということだ。
結果が出るのは就活が決まってからがほとんど
そもそも6割くらいしか受からない試験で、この状況は企業側としても迷惑な話である。
就活が決まっていた学生が国家試験に落ちてしまっては採用する予定の人数が大きく狂う。
それを補正する時間さえ十分に与えられないからだ。
実際には国家試験が終わった時点で、国家試験対策をしている専門の予備校が問題の答えを、予備校の教師が解いてネットに答えを上げてくれるので、それを参考に自己採点ができる。
それでおおまかに合格か否かがわかる。
既に組んでしまった卒業旅行の存在
大体3月に多くの人が卒業旅行に行くのだが、「自分は落ちている。」というのが分かりつつ、受かっている人と一緒に旅行に行くことなんてざらにある。
私の知っている中では、仲の良い6人グループで1人だけ落ちているなんてこともあったが、その1人の立場だったら私は旅行に行かないだろう。。。
(その人は旅行に行っていた強メンタルだったが。)
長い目で見れば人生なんてどうにでもなる。
だが、この若い時期には見えなかった。
私は国家試験に一発目で受かったが、万一落ちたらというのことを考えたら友達を友達と思えるのだろうか?と疑問に思った。
国家試験に落ちるとどうなる?
国家試験に落ちると、状況は思った以上に悲惨なものだ。
私の友人も何人も落ちてしまった人が居たが、
内定をもらっていた企業に謝罪の連絡を入れ、免許がもらえないから働けないと言わないといけない。
当たり前と言えば当たり前だが、悲しい。
そして、年間200万円ほどかけて予備校に通うことになる。
先手を打つ
私の場合はこれが嫌なので、仲の良い友人と4年生の時に旅行を終わらせた。
国家試験の勉強もみんな5年生から始めるが、私はゴミ捨て場で先輩が捨ててた過去問を拾って2年生から始め、みんなが勉強を始める頃にはほとんど終わっていた。
そして、みんなが勉強で大変な間に、一人で何か所か旅をしていた。
今考えると論理的な行動だった。
大勢と同じように行動していては、大勢と同じ結果しか得られない。
人はそれぞれ違うのだから、自分にとっていいような行動をとらなければいい結果なんて得られない。
誰もが分かっているはずなのに、そのような行動をとる人は意外にも少ない。
世の中はなんて非合理なんだろう。と思ってしまった一日だった。